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あおなにしお

黒田ネコがいろいろ書きます。

彼氏の目に可愛く映りたくて化粧を覚えた話

 

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こんばんは黒田ネコです。最近、昔お付き合いしていた人との思い出の店でアルバイトを始めました。とち狂ってますね。

 

今日は、化粧道具をひとつも持っていなかったわたしが化粧をするようになったきっかけのお話です。恋愛の話としてはもう思い出すこともないような話なのですが、自分の中のターニングポイントとして今でもたまに話題に出ます。

 

あ、BGMは中島みゆきの化粧でお願いします。

 

 

大学に入学したての頃、わたしはすっぴんで登校していました。すっぴんなのに何故かまつ毛エクステだけはしていました。「まつ毛エクステをしている」という事実だけで自分は大学デビューを果たしたのだと思っていました。とんだ勘違いです。

 

そんなわたしにも、入学してすぐに彼氏ができました。わりと華やかなサークルに入ったのが功を奏したのだと思います。相手は、高校時代のわたしのままだったら絶対に関わらなかったであろうタイプの人でした。つまりイケメンでした。ギターの上手いイケメンでした。「ギターの上手いイケメン」という字面の鬼に金棒感たるやすさまじいですね。イケメンなのにギターもうまいんだもんね。最強だよね。天は彼に二物を与えていました。でもチビでした。ギターの上手い小さなイケメンでした。褒め言葉と褒め言葉で悪口を挟むスタイル。

 

まあ案の定この小さなイケメンには1ヶ月もしないで振られたのですが、美意識をおかしな方向に振り切っていたわたしがきちんと化粧をするようになったのは、彼のある一言がきっかけでした。

ある日、サークルの化粧の上手な先輩に、「ネコちゃんお化粧してあげるよ!」と声をかけられました。されるがままになっていると、先輩はわたしの眉毛を描きながらこう言いました。

 

「おれの彼女眉毛がないんですよ、ってAくん(小さなイケメン)に相談されたんだよね」

 

…なるほど…

 

わたしが増やすべきだったのはまつ毛じゃなくて眉毛だったのか…

 

衝撃でした。そういえばあの頃わたしは、誰かが言っていた「女の子はすっぴんのほうがいい」という言葉を真に受けていたような気もします。まつ毛エクステをしていたことで、「すっぴんなのにお化粧しているみたいなワタシ♡」に酔っていたのかもしれません。しかし実際には眉毛アウトのまつ毛インというすさまじい状況だったわけです。

そもそも、「女の子はすっぴんのほうがいい」という言葉がすっぴんでも可愛い女の子に対するものだということなんてもはや常識ですよね。そんな言葉を発する男性の視線の先に妖怪眉ナシ女はいません。

 

そんなわけで、わたしは家に帰ってすぐに先輩に描いてもらった眉毛の形を写真に残しました。そして安い化粧品を一式そろえました。

 

小さなイケメンに振られる覚悟をした日の朝、覚えたての化粧を、丁寧に丁寧に施しました。振られるとわかっていても綺麗でいたかったからです。この人に可愛いと思われたくて覚えた化粧を、見てほしかったからです。

思えば、かなり初めの方から小さなイケメンに好かれていない自覚はありました。それでもいつか本当に好きになってくれる日が来ればいいと思って毎日必死に顔色をうかがっていました。最後の最後まで、少しでもいいから彼の目によく映ればいいと思っていました。冒頭で言った通り今となっては恋愛の話として思い出すようなこともないし、付き合っていたうちに入らなかったような気さえするのですが、当時脱陰キャラを試みている最中だったわたしにとって彼と付き合えていたことは奇跡のようなことだったわけです。あの1カ月弱、まるで少女漫画の主人公になったような気分でした

最後の日、彼はわたしの顔を見て一言「今日は化粧バッチリなんだね」と言ってくれました。ちなみにその頃の写真を見返すと妖怪頬紅女が写っています。チークはほどほどの方がいいです。

 

 

化粧の腕はあの時よりだいぶマシになりました。だいぶマシというのは眉毛アウトまつ毛イン時代から比べてなので、世間一般的では普通レベルなのですが、それでも自分では満足しています。ちなみにすっぴんに変化はないので寝起きに鏡を見て「妖怪眉ナシしもぶくれ女かな?」と思うことはしょっちゅうです。でも、だからこそ化粧が好きです。少しでも、今より可愛くなりたい。あの時「この人に可愛いと思ってほしい」という感情を知ることができたからこそ好きになれたのだと思います。恋が女性を綺麗にするというのはそういうことなんでしょうね。

 

化粧なんてどうでもいいと思ってきたけど今夜死んでもいいからきれいになりたい、こんなことならあいつを捨てなきゃよかったと最後の最後にあんたに思われたい、とまで思っていたわけではないですが、それでもこの曲を聴くとほんの少しあの時のことを思い出します。わたしは中島みゆきみたいに情緒豊かな詩は書けないので妖怪眉ナシ女とかいう頭の悪そうな比喩で書くしかなかったんですけど、ニュアンスで察してください。

 

 

ところで中島みゆきといえば、わかれうたの歌い出し、「途に倒れて誰かの名を呼びつづけたことがありますか」ってすごい歌詞ですよね。昔は「ねーよ!!!」と思っていました。でも去年やりました。人生なにがあるかわかりません。妖怪眉ナシ女は強く生きます。

 

それではおやすみなさい。